ワークショップが始まるまで仮面はメンバーのジャケットを被せて隠していた。
メンバー所有の仮面と装束を一体ずつ紹介。仮面の表情の違いに子供達も興味津々。
アイスホッケー対決を記念して集合写真。この装束で華麗に滑っていた。
夜はクランプスたちがクリスマスマーケットに出没。
こどもたちに贈るのは戒め?幸運?
〜ザルツブルク現地団体取材レポート〜 NEW
ザルツブルクに拠点を置く団体「Salzburger Schiachpercht'n und Krampusse」に協力いただき、12月6日「聖ニコラウスの日」に関連するクランプスのイベントに同行した。初日はザルツブルク中央駅にほど近い小学校で行われるワークショップを見学した。メンバーが体育館で衣装を広げて準備をしていると、子供達が覗き込んできて「クランプス!」という元気な声が響いた。ザルツブルクの子供達にとってクランプスは、このシーズン様々な場所(通りやショッピングモールなど)で目にするお馴染みの存在なのだ。子供たちが会場に入ってくると早速レクチャーが始まった。「衣装は何でできていると思う?馬?羊?」「匂いを嗅いでみる?」「仮面の中にはクッションがあるんだ。視界が狭いから急に目の前に飛び出したらぶつかってしまうので気をつけて」といった説明がされた。「質問がある人」と問い掛ければたくさんの手があがる。全ての仮面と衣装を紹介したあとは着用の流れを紹介。仮面を装着した瞬間、クランプスになりきったメンバーが子供たちに向かってポーズを取り会場は大興奮。最後は子供たちが各々着てみたい衣装の前に一列に並んだ。大人用の大きな衣装をずるずる引きずって仮面を装着したアンバランスな姿が可愛らしかった。仮面をつけて友達を驚かす子もいた。
ワークショップのあとに子供たちにインタビューすることができた。どの衣装がかっこよかったかと聞くと一番人気はペルヒテンだった。ペルヒテンはクランプスと時期が異なり、12月25日〜1月6日にやってくる。人気の理由はツノが多くてかっこいい、口が動くからだった。クランプスは怖くないかと聞くと、「クランプスに連れて行かれることはないよ」「中は人間だから大丈夫だよ」とあっさりした回答。レクチャーの際に仮面の中を見せたり、衣装を着る一連の流れを見ているからだろう。日本の来訪神などは神聖な存在であり支度の様子は公開されない。異形のものとして厳格な掟を守り、子供たちを戒める意味合いが強い。日本の来訪神もクランプスも幸福をもたらすことは共通するが、神聖さを貫く日本に対して、クランプスはとても軽やかに時代に溶け込もうとする柔軟さが感じられた。
子供達に日本のなまはげについて紹介した。悪いことをしたらリスト(台帳)に書かれてなまはげが山から降りてくるよ、山へ連れて行かれてしまうよと紹介したところ、「本当に山に連れて行かれた子はいるの?」「山を降りる時は一人なの?」などユニークな質問が溢れた。日本は秩序やルールを重んじるので親が子供に注意するときに「〇〇になるよ」などネガティブな表現をする傾向がある。この文化の違いを痛感した出来事が、これからクランプスを演じる演者に対して「頑張って!」と伝えようとしたところそれに当たるドイツ語がないと知ったことだ。「頑張って」は「全力を尽くしなさい」というように努力を強いるニュアンスになる。だから彼らは「幸運を(Glück)」という言葉を使う。子供たちとの交流の最後に先生が「悪いことをしたら日本に連れて行かれちゃうね」と言うと「それなら日本に簡単に行けるからいいね!」と。どこまでもポジティブな子供たちのコメントにも文化の違いが感じられた。
団体は30周年を迎える。原点はGünter氏が紙を貼って作った貼り子のような仮面であった。クランプスの仮面や装束に憧れて独学で作り始めた。現在はClemens氏が代表を務める。みな趣味の集まりであり、装束一式は自費で購入しているそうだ。クランプスのシーズンが近づくと仕事も休暇を取って大忙しだ。ザルツブルク大聖堂前に設置された舞台ではGünter氏の台本によるニコラウス劇が披露され、クランプスラン(クリスマスマーケットをクランプスたちが練り歩く)に参加する全ての団体と衣装を紹介するパフォーマンスが行われた。この時期モーツアルト広場に登場するアイススケートリンクでは、地元に拠点を置くアイスホッケーチームのECレッドブル・ザルツブルクとクランプスによるアイスホッケー対決が行われた。クランプスの一挙一動がとても面白い。何より驚かされたのがその全ての司会進行を彼らが行うことだ。伝統を継承していくためのユニークなアイディアと情熱に心震えた。
今回の同行取材を快く引き受けてくれたClemens Gull氏、Günter Polanec氏に厚く御礼申し上げる。
教室にクランプス登場?!今年も異国の文化に触れる講義を実施しました NEW
2025年10月下旬、都内のデザイン系大学一年生に向けて「クランプス」を紹介する授業を行いました。講義テーマは「ひらめきの原始カルチャー 自分らしさを形にする編集思考」。クランプスをはじめとする伝承がもつ原始的な魅力を紹介する授業です。一見デザインや編集とはかけ離れたフォークロアの世界ですが、広大な世界で繰り広げられる物語は多くの作家たちに影響を与え、神話や民話をもとにした作品を生み出してきました。作品制作においてオリジナリティを表現していくためには、リサーチし、ラフを描き、アウトプットを考え、発信方法を考える編集者的思考が応用できます。この思考を用いて「自分らしく時代と世の中を切り取る」ことが大切だと考えます。
授業ではクランプスのほかに多くの漫画やゲームに影響を与えてきた北欧神話やハロウィンの由来であるアイルランド民話を紹介し、クリエイティブな世界との繋がりについて考察しました。また日本における昨今の鬼ブームについても触れました。後半は現地オーストリアで撮影したクランプスパレードの映像とともに、吉田氏からお借りした仮面、鞭、グローブ、カウベルを紹介。その大きさと重厚感から日本と海外の表現の違いがはっきりと伝わりました。最後に学生と教員が仮面を被り、カウベルを持って教室内をパレードする実演を行いました。クランプスが持つ迫力を肌で感じる貴重な時間となりました。
文化学園大学
造形学部デザイン・造形学科
助教 深田 雅子
大学の講義にクランプスが登場!
クランプスジャパンが所有するクランプス2体の仮面・鞭を、都内のデザイン系大学の講義で使用しました。講義テーマは「ひらめきの原始カルチャー」。デザインやストーリーのヒントは普段目にするものだけでなく、自分が知らない時代や世界にたくさん隠れていることを大学1年生に伝えました。
教室に入るとクランプスの仮面がお出迎え。教室の大スクリーンに現地のクランプスパレードの映像が流れる迫力の演出で、授業開始前から学生たちも大騒ぎでした。オーストリアのザルツブルク、リーエンツ、ドイツのミュンヘンにおけるパレードを中心に紹介しながら、クランプスの歴史、衣装のディティール、決まった時期に街にやって来る意味について説明しました。当初はスクリーンに映るクランプスの姿を怖がっていた学生も、その風習の意味を知ることで次第に関心を寄せていました。現地で使われていた本物の仮面を一点ずつ紹介し、「全て職人が作った一点ものである」ことに多くの学生が驚いていました。授業終わりには仮面の周りに集まり、仮面の内部の構造や表情の掘り方までまじまじと観察する姿が印象的でした。新たな文化との出会いが学生の創作意欲を掻き立てる時間となりました。
文化学園大学
造形学部デザイン・造形学科
助教 深田 雅子
しむあず祭りにクランプスが参加します!
2023年1月22日(日)に開催される体験型スポーツフェスタ「しむあず祭り」にクランプスジャパンが参加します!出演は10時20分(予定)になります。詳しいイベント情報は下記チラシ・ポスターのPDFデータをご確認ください。ご来場お待ちしております!
◎イベント情報
2023年1月22日(日) 小豆沢公園・野球場 10:00~15:00 雨天決行
主催:志村銀座商店街振興組合・小豆沢商友会・しむあず祭り実行委員会
協力:アルピコ交通東京株式会社
企画・運営:(株)オマツリジャパン・BOUKEN WORKS(謎解きラリー企画)他
後援:板橋区
しむあず祭りチラシ_表.pdf
しむあず祭りチラシ_裏.pdf
しむあず祭りポスター.pdf
クランプスパレードイベント中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染症収束の見通しは未だ立たず、今なお感染拡大防止に努める必要 があることから、昨年に続き、クランプスパレード&オーストリア物産展は中止いたします。 何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具
◎中止のイベント
2022年12月4日(日)第8回クランプスパレード&オーストリア物産展
【開催場所:板橋区志村坂上商店街】
◎お問い合わせ
有限会社宏友舎 クランプスジャパン事務局 担当:吉田 宏
電話:090-9150-0988